山梨大学「高度生殖補助技術センター」設置にあたりご挨拶
(英語名:Center for advanced Assisted Reproductive Technologies (CART))
この度大学院総合研究部生命環境学域において、これまで世界トップレベルの発生工学技術や生殖医療を先導してきた医学部及び附属病院の実績等を活用し、国および県からの支援を受けて胚培養士を育成する附属施設「高度生殖補助技術センター」を2022年4月1日に設置しました。
日本では、挙児を希望するカップルの10~15%(約6組に1組)が不妊で悩んでおり、新生児の14人に1人(2019年)は体外受精で生まれています。胚培養士は、このような不妊治療において、医師の指導の下に直接体外受精や胚の培養などの生殖補助医療を担う重要仕事です。しかし、国内では胚培養士を体系的に育成する教育機関が限られており、山梨県内を含めて全国的に不足しています。
今回設置された「高度生殖補助技術センター」は、生命環境学部生命工学科および大学院生命環境学専攻バイオサイエンスコース(修士課程)と協力し、令和5年度から、学部・修士6年一貫「胚培養士養成特別教育プログラム(仮称)」を開設し、胚培養士の養成を行っていきます。このような仕事に興味のある高校生の皆さんのご入学をお待ちしています。
高度生殖補助技術センター センター長 岸上哲士
センター概要
- 学部段階からの胚培養士の養成
胚培養士養成のための学部・修士一貫教育プログラムを新設する
生命環境学部・医学部と連携 - クリニックの医師・胚培養士等の技術研修(リカレント教育)
生殖医療に関わる医師や胚培養士等への高度な技術研修の実施
凍結保存、マイクロマニピュレーター、遺伝子・染色体解析、など
生殖補助医療管理胚培養士へのキャリアアップを支援する - 生殖医療を専門とする産婦人科医の養成支援
附属病院との連携により若手医師や大学院生に向けて技術研修等を実施
生殖補助医療を専門とする産婦人科医の養成を支援する
組織
山梨大学
高度生殖補助技術センター
- 高度生殖補助医療技術開発分野
- 生殖および胚発生研究分野
- 胚培養士育成および技術向上分野
生命環境学部
生命工学科
- 学部・修士一貫融合教育プログラムの展開
- データサイエンス教育の推進
生命環境学専攻
統合応用生命科学専攻
- 学部・修士一貫融合教育プログラムの展開
- 博士課程による研究者育成
- 胚ゲノム科学部門による
教育・研究面のサポート
発生工学研究センター
- 技術・研究面での連携
- センター間との連携による拠点化も視野
医学部
- 医学系・医療倫理科目の提供
- 研究面での連携
医学部附属病院
生殖医療センター
- 臨床実習・実務研修
- 医療データの提供
工学部
- AI(人工知能)による
- 精子・卵子・胚の画像診断技術
山梨県立大学
- 倫理系・心理系科目の提供
山梨県
- 生殖補助技術に関する講座の新規設置など
民間クリニック
- 臨床実習・実務研修
- 高度生殖補助技術センターへの研修生派遣
- 卒業者(胚培養士等)の就職
メンバー
高度生殖補助技術センター
生命環境学部
志浦 寛相(助教)
- 研究分野:
- 分子生物学、エピジェネティクス
- 研究テーマ:
- 乳類特異的ゲノム機能から探る個体発生
発生工学研究センター
若山 清香
工学部
安藤 英俊(教授)
医学部
産婦人科
平田 修司(教授)
- 専門領域
- 婦人科腫瘍、周産期医療、生殖医療
吉野 修(准教授)
- 専門領域
- 生殖内分泌学、産婦人科一般
大木 麻喜
- 専門領域
- 生殖医療、産婦人科一般
小川 達之(助教)
- 専門領域
- 生殖医療、産婦人科一般
原口 セリナ(胚培養士)
泌尿器科学・泌尿器科
澤田 智史(准教授)
- 専門領域
- 泌尿器全般