2023年8月29日 第11回 梨大胚培養士アカデミー実習(卵子/胚の凍結・融解)を開催しました。

高度生殖補助技術センターでは、胚培養士の養成とリカレント教育を目的とした実践的な実習を定期的に開催しています。

今回は外部講師の方々(3名、株式会社リプロライフ)をお招きして、9名(胚培養士希望大学院生ならびに県内胚培養士)が参加して『卵子/胚の凍結・融解』の実習を開催しました。

最初に、卵子の凍結・融解方法の原理および卵子・胚に障害を与える要因とそのの回避方法について講義していただきました。またその際、事前の質問にあった胚培養士のキャリアについてもお話がありました。

その後、実際の実習では最初に講師の方々により操作を実演しながら各操作の際の注意点等の説明があり、参加者の皆さんは顕微鏡のカメラから映し出された卵子の動かし方を見ながら、各自熱心にメモを取っていました。

また参加者が実際に行う際は、胚培養士の経験のある技術担当の講師の方々が、各参加者の手技を確認しながら技術指導やアドバイスをしてくださいました。丁寧なご指導のおかげでみなさん卵子を無事凍結融解でき、およそ2時間の実習が終わりました。

今回の実習では、マウスの卵/胚および卵子/胚の凍結・融解キット(株式会社リプロライフ)を用いて卵子/胚の凍結・融解を行いました。

実習後の参加者のみなさんからのアンケートでは、

「卵子や受精卵の凍結をやる意義、仕組みなど再確認できるスライドで理解を深めることができた。」

「凍結融解技術についての良い勉強となった。浸透圧や分子量など具体的な数字での説明があり、勉強になった。」

「凍結、融解の意味や原理、注意点や胚が死んでしまう原因まで知ることができ、胚を扱う身としてはとてもためになった。」

「産婦人科内にある培養室で実際に胚盤胞凍結を見る機会があり、その時は作業自体も簡単そうに見えていたが実際にやってみると思ったより複雑な作業であると実感した。またこういった機会があれば参加したい。」

「臨床で用いられている道具を就職に先んじて練習できることに大きな意義を感じた。」

「実際に隣でご指導いただきながら操作をすることができて、何に気をつけなければいけないのかをステップごとに確認しながら凍結融解できたのでとても勉強になりました。」

などのご意見をいただきました。

株式会社リプロライフの皆様および、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

謝辞 今回の実習では、卵子/胚の凍結・融解キットとして「卵子/胚ガラス化キット(Ready to Vitri kit)」ならびに「卵子/胚融解キット(Ready to warm kit)」(株式会社リプロライフ)を提供いただき使用しました(写真)。本実習にあたりご支援をいただきました「株式会社北里リプロライフ」様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。